インナーソースを行うにあたり多くのツールが必要です。 こうしたツールには、議論を促進するもの、標準化やコンプライアンスを支援するもの、測定と結果のレポートを支援するものがあります。 InnerSource Commons では、こうしたツールをオープンソースで開発しています。 是非、ご参加ください。
例えば、 Agora というツールはエンタープライズ検索のためのものです[8-1]。 多様なデータソースを従業員が簡単に追加できるオープンなシステムを目指しています。 これによりツールやドメインを超えた検索が可能になります。
Commons では成熟度モデルについても議論しています。 その最初のステップとして、 GitHub や GitLab から得られる指標について議論しました。 複数のデータソースから、再利用やコラボレーション状況の測定をしたいと考えましたが、 そのためには少なくともデータを取得しなければなりません。
私達は、 InnerSource Commons という組織を立ち上げました。 既に50名以上のメンバーがおり、そのほとんどは大企業から参加しています。 私達の最初のゴールの1つは、インナーソースの標準を作ることです。 そこで、メンバーの経験をもとに、インナーソースパターンを作成しています。
こうした情報を広めるにはいくつかの方法があります。
インナーソースに興味を持つ人や会社が学べるように、(本書のような)トレーニング資料を含む本をオライリーメディアの協力を得て出版しています。
カンファレンスで使用した資料を30分程度の講義資料にまとめました。
Commons で進行中の最も大きなプロジェクトに、インナーソース実施の課題に対処するパターンを作成することがあります。 Leonardo da Vinci は、解決困難な課題の解決を自然に求めました。 私達 が解決困難な課題に直面した時、オープンソースとして作成されたこれらのパターン集の中に類似のものがあれば、その解決方法を参考にできます。 そこで、次の5つのポイントを含むようにパターンの作成します。
問題についての解説
問題を一段上から広く見たときの状況
解決策発見にあたり注意すべき点
考えられる解決策
解決策を用いた結果生じる新しい状況
ありがたいことに、この動きは素早く順調に進んでおり、既に多くの類似パターンがオープンソースで文書化されています。
[8-1] (訳注) 2023年5月現在、GitHub 上の InnerSource Commons に Agora は見当たらない。